人気マナー講師が伝授!経営者が身につけるべき3つのマナー習慣とは?
人気マナー講師で起業家の笹西真理氏に経営者必須のマナー習慣などをインタビューしました
会社が得をするか、損をするか。それにはマナーが大きく関わっているといっても過言ではありません。
経営者にとって、個人の信用は「会社の信用」にも直結します。普段のちょっとした習慣で得or損の分かれ道となることも…。
マナーというと堅苦しい印象を受けるかもしれませんが、ちょっとしたコツを身につけるだけで、会社の売上UPへ繋がる魔法のテクニックにもなります。
もちろん、経営者であるあなただけが身につけるのではなく、従業員やスタッフにも指導できればよりプラスに働くでしょう。
「一度習慣になれば一生得をする」ともいえるほど重要なマナーについて、人気マナー講師の株式会社トゥルース代表・笹西真理さんに聞いてみました。
1974年生まれ。同志社大学卒業後、株式会社日本航空にて客室乗務員として従事。
外資系~国内系と5年半のCA生活を経て、広告系コンサルティング会社へ転職。飛込み営業を一からスタートし、2年でグループ表彰、全国400拠点のトップ営業となる。その後、広告だけでは「売上アップを維持できない」と独自のメソッドで現場教育をスタート。2005年、独立し株式会社トゥルースを起業。研修講師となる。2010年、一般社団法人日本マナーOJTインストラクター協会を立ち上げ、現在約400名の講師を束ね、年間4000件を超す人材育成支援を行う。本人も10年来の支援先を多く持つ講師、コンサルタントである。
※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください
この記事の目次
経営者がマナーを身につけるメリットとは?
笹西:第一印象が良くなり、人から信用を得やすくなります。
これはハロー効果(※)によるものですが、第一印象がよいと取引や採用などの様々なシーンで本来のあなたの強みが伝わります。
※ハロー効果・・・ある対象を評価する際に、顕著な特徴があるとそのほかの特徴にも影響があること。
笹西:まず1つは「売上アップ」に繋がります。
第一印象がよくなることで、感じの良い話し方を身に着けられますよね。相手の話を気持ちよく聞くことができるため、相手の信用を得やすいのです。
それだけで「お客様が増えた」「成約率が向上した」という例もたくさんあります。とくに、販売や営業という仕事をなさっている方にとって基本のマナーは必須といえるでしょう。
2つ目は「人財離職率の低減」、つまり定着率の改善が期待できることです。
マナーを身につけることで、報連相をはじめとしたビジネスコミュニケーションが活発になります。
お互いに丁寧語で思いやりのある受け答えができるようになった組織では、3年以内の新人離職率がほぼ100%から20%まで減ったという事例もあります。
マナーは思いやりの心を行動で表すこと、ともいえるので組織の雰囲気が良く変化するわけです。
経営者が身につけるべき3つのマナー習慣
笹西:私がとくにお伝えしておきたい大切な習慣は3つあります。
1つ目は、まずは一度相手の話を「ハイ」と受け止めること。自分のフィルターを通してすぐに話し始めるのではなく、一度受け入れて聞くことで相手に話を聞いてもらいやすくなります。
2つ目は「ありがとう」と「ごめんなさい」を誰に対しても言うことです。
当たり前のことかもしれませんが、誰に対しても「ありがとう」という感謝の姿勢と自分の非を素直に認める「ごめんなさい」の姿勢をもっておくことは大切。これができていれば、より多くの協力者を作ることができます。
最後の3つ目は、丁寧語で話をすることですね。話し方は「人格」を表します。丁寧語で話をして嫌な印象をもつ人はいません。
伝えたことを実践してもらうには”相手目線”が必須
笹西:講師という仕事は大変です。伝えっぱなし、言いっぱなしでは仕事にならないからです。
伝えたことを受講者に実践したいと思ってもらうためには「相手目線」が必須。必ず相手の業務理解(企業や業種、職種など)を徹底的に行います。
WEBや会社研究はもちろん、アンケートやモニタリング、覆面調査などのあらゆる手段で相手を知る努力をするのです。
そこで知りえた「現場で使う」内容に合わせて、様々なノウハウを言葉を変えて伝えるようにしています。
簡単ではありませんが、ばっちりハマるとやりがいを感じますよ!
起業のきっかけは会社員時代にした提案だった
笹西:JALのCAを経て、広告系のコンサルタント営業として従事していました。
ある日、お客様である飲食チェーン店で「広告の打ち切り」を仄めかされ、広告を続けてもらうために見よう見まねで現場OJTを始めたのが始まりでした。
勢いで「私は接客のプロなので、店舗で接客研修を行います!」と言ってしまったのです。
その結果、お客様店舗の売上が飛躍的に上がり、マナー指導の仕事を依頼されることが増えました。
それから退職して、現場指導(OJT)を重視した研修講師として起業しました。
笹西:元々、私の実家は商売をしているので「会社設立も士業の先生もすべて任せればいいや」くらいに甘く考えていました。
しかし、実際に起業しようとしたところ、頑固な父に「実家の縁を頼るようなことでは上手くいかない。一切使わせない!」と言われてしまい、途方にくれたことです(今では感謝していますが)。
そこでドリームゲートという起業を支援する行政サポートを受け、なんとか会社設立にこぎつけました。
今後は「サービス業の未来を輝かせる」ために事業展開していく
笹西:現在は3つの会社を経営しています。
①企業のHR(人材開発)をリデザイン!サービス業をサポートする(株)トゥルース
②サービス業卒業者を講師として育成 (一社)日本マナーOJTインストラクター協会
③経営コンサルティング会社(株)フェイス
今後は、屋外研修施設(宿泊・飲食・観光農園を含んだ複合施設)を2023年にオープンする予定で、現在準備しているところです。
より現場を知り、幅広く企業の人材開発を支援する会社として、当社の理念でもある「サービス業の未来を輝かせる」ために活動の幅を広げていきます。
笹西:“継続する”という強い意志があれば会社は続きます。助けてくれる人、組織、情報をぜひ大切にしてください。
16年前は事業計画を立てるのもおぼつかず、数字を見ることもできず、勢いだけで立ち上げた会社でも、やめなければ16年続きました。
1つだけ悔まれることは「もっといろんな情報を取りにいくべきだった」ということです。
ぜひ、皆さんは効率よく人に会い、良い情報を手に入れてください。そして、いつか私にも会ってくださいね。頑張りましょう!
(取材協力:
株式会社トゥルース/代表取締役 笹西真理)
(編集: 創業手帳編集部)